強度試験データの不整合
部品メーカーが出した試験データが、日本の基準が求める条件や車両の実際の構成と合っていないことがあります。データの数字は良くても、条件が違えば試験の根拠になりません。
当社の関わり方:データの試験条件と車両の構成を突き合わせ、足りない試験や確認すべき点を洗い出します。必要に応じて、試験設備をもつ部品メーカーと調整します。
型式認定は、書類をそろえて提出すれば済む手続きではありません。強度試験のデータが整合しているか、アシストの制御が基準に適合しているかを、根拠をもって示す実務が求められます。当社は、企画・設計の段階から試験機関との協議まで、制度と技術の両面からお手伝いします。
ひとつでも当てはまれば、まずは状況をお聞かせください。
電動アシスト自転車は、道路交通法施行規則では「駆動補助機付自転車」と呼ばれます。人の力を補う電動機の力には、走行速度に応じた上限が定められています(時速24km以上では補助しないことなど)。この基準を満たす車両は、道路交通法上の「自転車」として扱われ、運転免許は要りません。
型式認定は、車両の型式ごとに、こうした基準に適合しているかを確認する制度です。認定は国家公安委員会が行います。認定の前提となる型式認定試験は、指定試験機関である公益財団法人 日本交通管理技術協会(以下、管技協)が行い、アシスト比率(人の力に対する補助力の比率。試験機関の資料では「駆動補助比率」)や制動性能などの測定試験は、管技協の委託を受けた一般財団法人 日本車両検査協会が実施しています。認定を受けた型式の車両には、型式認定番号が表示されます。あわせて「TSマーク」(型式認定のマーク)を表示することもできます。自転車店での点検整備を示すTSマークとは別のものです。
型式認定は、メーカーや販売者が申請して受ける制度で、販売にあたって取得が義務づけられているものではありません。ただし、基準に適合していることを第三者の試験で示せるため、購入者や取引先への説明の裏付けになります。
アシスト比率や制御の方法によっては、自転車ではなく原動機付自転車として扱われることがあります。その場合は、運転免許やナンバープレート、自賠責保険が必要になり、車両は道路運送車両法の保安基準を満たす必要があります。どの制度が対象になるかの見極めから、ご相談いただけます。
試験そのものより、その手前で止まる案件が少なくありません。よくあるのは、次の3つです。
部品メーカーが出した試験データが、日本の基準が求める条件や車両の実際の構成と合っていないことがあります。データの数字は良くても、条件が違えば試験の根拠になりません。
当社の関わり方:データの試験条件と車両の構成を突き合わせ、足りない試験や確認すべき点を洗い出します。必要に応じて、試験設備をもつ部品メーカーと調整します。
アシストの強さは、走行速度に応じたアシスト比率の上限を満たしている必要があります。制御の設定によっては基準を外れ、自転車として扱われなくなることもあります。
当社の関わり方:制御の設定と測定結果を確認し、余裕をもって基準を満たす設定をメーカーと詰めます。
材料の証明書や制御のログが不足していたり、内容が実物と食い違っていたりすることがあります。そのまま試験の申込みに使うと、後の工程で手戻りが生じます。
当社の関わり方:書類と実物の整合を確認し、不足分を海外工場に中国語で直接依頼します。
書類を整えることだけを受け持つのではなく、技術コンサルティングとして、車両が基準を満たすまでの工程に関わります。
型式認定試験の申込みと型式認定の申請は、申請者であるお客様(メーカー・販売者)が、ご自身の名義で行います。当社は、その準備を技術面から支えます。
申込書・申請書そのものの作成や提出の代理は、お引き受けしていません。書類の作成を外部に依頼したい場合は、行政書士にご相談ください。
図面や仕様の段階で、どの制度・基準が対象になるかを確認し、適合の見通しを立てます。
図面・試験データ・制御の内容を、通訳を介さず中国語で海外工場と直接すり合わせます。英語にも対応します。
基準に届かない点があれば、設計の変更や代わりになる部品を具体的に提案します。
型式認定試験の申込みに必要な技術資料や試験の進め方について、試験機関と協議します。
基準の解釈が分かれる点は、所管の行政機関に確認します。
試験設備をもつ部品メーカーとも連携しています。台湾・中国製の部品を活かしながら、日本の基準に合う構成を一緒に検討します。
海外の車両を日本で販売したいとお考えの方へ:3つの進め方を比べる
当社の支援と、試験の段階を分けてご説明します。かかる期間は、車両の構成や開発段階、試験の内容によって異なります。
フォームから、車種・開発段階・部品の製造国などをお知らせください。
お話を伺い、図面、試験データ、部品の証明書類などを拝見して、課題と必要な作業を整理します。
支援の範囲と工数をご提示します。人月単価制で、合意のうえで進めます。試験機関の試験手数料は別途かかります。
法規に照らした確認、海外メーカーとの技術調整、設計変更や代替部品の提案、試験機関との協議を進めます。受験の前には最終確認を行い、アシスト比率などが基準を余裕をもって満たしているかを確かめてから試験に臨みます。合否は試験機関が判定します。
| 段 | 見出し | 説明 | 当社が関わること |
|---|---|---|---|
| 01 | 測定試験の前のアシスト比率の確認 | 測定試験では駆動補助比率を1回の測定で判定するため、比率の確認と調整は、測定試験の前に済ませておく必要があります。当社では、申込みの前に済ませることをおすすめしています。自社に試験機があれば自社の試験機で、なければ一般財団法人 日本車両検査協会や一般財団法人 自転車産業振興協会などの試験機を利用して測定し、結果をレポートにまとめます。同じ種類の試験機でも、機器や測定条件の違いで、測定値に若干の差が出ることがあります。また、外部の試験機は、時期によって予約が取りにくく、抽選になることもあります。機会を逃すと次の利用まで時間がかかる場合があるため、事前の測定は日程に余裕をもって計画することをおすすめします。 | 制御の調整と測定を支援します。基準ぎりぎりではなく、余裕をもって基準を満たす設定を提案し、基準を余裕をもって満たしているかを確かめてから申込みに進みます。合否は試験機関が判定します。 |
| 02 | 管技協への型式認定試験の申込み | 試験依頼書と、諸元表・外観図・構造図、比率を確認したレポート(駆動補助比率の計測データ)などの書類を管技協に提出し、試験手数料を納めます。 | 申込みは、お客様がご自身の名義で行います。当社は、申込書の記入方法をご説明し、添付する技術資料(諸元・構造・計測データ)の内容を確認して助言します。試験の進め方については、管技協と協議します。 |
| 03 | 日本車両検査協会での測定試験 | 管技協の受付のあと、日本車両検査協会で正式な測定試験が行われます。測定試験の申込みと試験日の指定は、管技協と同協会の案内に従って進めます。試験日は同協会が指定します。測定試験は、調整が済んでいることを前提に測定だけを行う場で、その場で設定を調整することはできません。測定試験では、同協会が改めて、駆動補助比率、制動性能、構成部品の構造・性能などを測定します。 | 必要な手続きをご案内し、試験に向けて、車両と技術資料の最終確認を行います。 |
| 04 | 試験審査委員会による合否判定 | 書類審査と測定試験の結果をもとに、試験審査委員会が合否を判定します。不合格の場合の再測定試験は、原則として6か月以内に1回に限り受けられます。 | 結果を確認し、不合格の場合はお客様と共に原因を分析し、設計の見直しを支援します。 |
| 05 | 型式認定 | 型式認定試験に合格した型式について、国家公安委員会が型式認定を行います(型式認定申請書は、申請者が、試験審査委員会の前に管技協を通じて提出します)。 | 申請書は、お客様がご自身の名義で作成・提出します。当社は、記載する技術的な内容の確認と助言を続け、訂正を求められた場合の対応も助言します。 |
※手順は、管技協「駆動補助機付自転車等の型式認定試験の受付等について」(令和7年7月25日)にもとづきます。手順や手数料は変わることがあるため、最新の内容は管技協の案内をご確認ください。
試験に通ることだけを考えると、基準の上限に近い設定を選びたくなることがあります。けれども、製造のばらつきや、測定する機器・条件の違いによって、結果が基準を外れることもあります。正式な測定試験は、調整が済んでいることを前提に測定だけを行う場です。その場で設定を直すことはできず、アシスト比率は1回の測定で判定されます。事前の確認で基準ぎりぎりを狙うと、本番で外れたときに、再測定試験まで時間と手間がかかります。
当社は、基準ぎりぎりを狙うのではなく、余裕をもって基準を満たす設計を提案します。受験の前には最終確認を行い、基準を余裕をもって満たしているかを確かめてから試験に臨みます。合否は試験機関が判定します。
「前例がない」と言われた場合も、すぐに諦めることはしません。基準や運用の根拠を一つずつ確認し、進める道を探します。
大手自転車メーカーで設計企画に従事してきたエンジニアを中心としたチームが対応します。強度試験の考え方や制御の設定を、書類の上だけでなく車両の構造から確認します。
台湾・中国の部品メーカーや工場と、通訳を介さず、中国語で直接、技術的なやりとりができます。図面・試験データ・制御の内容をその場で詰められるため、認識のずれを早い段階で見つけやすくなります。英語でのやりとりにも対応します。
試験機関との協議や、試験設備をもつ部品メーカーとの調整を、当社が直接行います。
| 区分 | 主な制度・基準 | 当社の関わり方 |
|---|---|---|
| 電動アシスト自転車(駆動補助機付自転車) | 道路交通法施行規則にもとづく、国家公安委員会の型式認定(試験は管技協) | アシスト比率・制御、強度試験データの確認から、型式認定試験の準備まで支援します。 |
| 普通自転車 | 道路交通法施行規則にもとづく、国家公安委員会の普通自転車の型式認定(試験は管技協) | 車体の寸法・構造の基準への適合確認と、型式認定試験の準備を支援します。 |
| 特定小型原動機付自転車(特定小型原付) | 道路交通法上の特定小型原動機付自転車の要件と、道路運送車両法にもとづく保安基準。保安基準への適合は、国土交通省の「性能等確認制度」(申請にもとづき確認機関が確認)で確認を受けることができます | 制度の確認と、保安基準への適合に向けた技術的なご相談に応じます。 |
| モペット(ペダル付き原動機付自転車など) | 道路運送車両法にもとづく保安基準(原動機付自転車・二輪の自動車として)。国土交通省の型式認定(道路運送車両法施行規則第62条の3)など、警察庁の型式認定とは別の制度があります | ペダル付きでも原付・二輪の自動車として扱われるため、制度の確認と、適合に向けた技術的なご相談に応じます。 |
アシスト比率や制御の方法によっては、電動アシスト自転車として設計した車両が原動機付自転車として扱われることがあります。どの区分に当たるかの確認から、ご相談ください。
車両を輸入・販売する事業者にも、次のような責任が生じるおそれがあります。早い段階で確認しておくことが、事業を守ることにつながります。
コンサルティング業務のため、人月単価制でお見積りします。試験内容の見直しや再測定試験が発生する場合も、工数に応じた費用を事前にご提示し、合意のうえで進めます。
※試験機関に支払う試験手数料などは、当社の費用とは別にかかります。
企画・設計の段階からご相談いただけます。試作車がある段階、量産の準備中、すでに販売している段階でも対応します。一般に、設計が固まる前に確認するほど、設計変更の負担を抑えやすくなります。
できます。中国語での技術的なやりとりは、特に得意としています。通訳を介さず、中国語で台湾・中国の工場と直接、図面・試験データ・制御の内容を調整できます。英語でのやりとりにも対応します。
当社では、受験の前に最終確認を行い、アシスト比率などが基準を余裕をもって満たしているかを確かめてから試験に臨みます(→「ご相談から型式認定までの流れ」)。ただし、合否は試験機関が判定します。
万一不合格となった場合は、お客様と共に原因を分析し、再試験に向けて、原因分析から設計の見直しまでサポートを続けます。再測定試験を受けられる時期や回数は試験機関の定めによります(現在の管技協の案内では、原則として6か月以内に1回に限られます)。その間の費用も人月単価制で、工数に応じた金額を事前にご提示し、合意のうえで進めます。
車両の構成や開発段階、試験の内容によって異なるため、一律にはお答えできません。試験データや書類のそろい具合、設計変更が必要かどうか、試験機関の日程などで変わります。事前の測定に使う外部の試験機の予約状況や、型式認定試験を行う試験機関の申込み状況によっては、抽選や受験までの待ち期間が生じることもあります。ご相談内容を伺ったうえで、見通しをお伝えします。
人月単価制でお見積りします。支援の範囲と工数を事前にご提示し、合意のうえで進めます。試験内容の見直しや再測定試験が発生する場合も、同じ考え方で事前にご提示します。
ご相談いただけます。まず、受け付けられない理由とその根拠を確認します。そのうえで必要に応じて、試験機関や行政機関に制度を確認しながら、進められる道筋を探します。結果は案件によって異なりますが、サドル長35cmの事例では、こうした確認を重ねて申請の受付につながりました(認定の取得ではありません。→ 実績・事例)。
秘密保持契約の締結に応じます。内容はご相談のうえ決めさせていただきます。図面や試験データなどの資料をお送りいただく前に締結をご希望の場合は、ご相談の際にお知らせください。締結の前は、機密性の高い情報のご記入・ご送付はお控えください。
申込書・申請書は、申請者であるお客様がご自身の名義で作成・提出します。当社は、記入方法(どの欄に、どの技術資料の内容を記載するか)のご説明、技術的な裏付けとなる資料の整理、作成された書類の技術的な内容の確認と助言を行います。書類そのものの作成や提出の代理はお引き受けしていないため、作成を外部に依頼したい場合は、行政書士にご相談ください。